ノロウィルス1960年代には、発見された土地の名前にちなんで「ノーウォークウイルス」と呼ばれていましたが、1970年代に入り「小型球形ウイルス」と呼ばれるようになりました。
その後2002年に「ノロウイルス」と命名され今日に至っています。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎について

最近、ノロウイルスによる食中毒が増加しています。ノロウイルス感染は冬季の発生が主流ですが、最近では年間を通して全国的に報告されています。
通常は嘔吐、下痢などの症状が2~3日程度続いた後に回復し、経過は良いものです。
しかし、抵抗力の衰えた高齢者では重篤化し、時には死に至る事もあります。

ノロウイルスに感染すると

ノロウイルスに感染すると、潜伏期間は24時間から48時間で、主な症状は嘔吐、下痢(水溶性下痢)、腹痛、発熱(38度以下)、頭痛など、風邪によく似た症状の急性胃腸炎症状を呈します。一般的には2~3日で回復し、経過は比較的良好ですが、症状回復後通常1~2週間まれに1ヶ月に渡り糞便中にウイルスを排出し続けます。
現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はないので、脱水症状のひどい場合に輸液を行うなどの対症治療が行われます。

主な感染経路は

このウイルスの感染経路のほとんどが経口感染で、次のような感染様式が考えられています。

  1. ノロウイルスに汚染された生牡蠣、あるいは十分に加熱しないで貝類を食べた場合
  2. 家庭で調理を行う人、飲食店や集団生活するホームなどの施設において調理をする人、食品の製造などに従事する人などが感染し、排泄物の接触によりその人の手を介して感染が広がります
  3. ウイルスに汚染された調理器具が使用された場合
  4. 嘔吐物に存在するウイルスが乾燥し、気流にのって口腔や鼻粘膜に吸い込まれた場合
  5. 家庭や学校などの共同生活施設で人同士の接触が多い所で、人から人へ直接感染する場合

感染を予防するには

ノロウイルスは、体内に数十から100個取り込まれると感染性胃腸炎を引き起こすと言われています。
それに対して、ノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかった人が放出するウイルスの数は、数万~数億個。
ノロウイルスに汚染された食品や器具、感染した人などを感染源として、容易に感染が広がることが予測できます。

感染症を予防するには、まず、ウイルスを口に入れないことが重要です。
ウイルスを口に入れないための有効な手段は主に3つ。
調理において加熱を十分(85℃1分間以上)に行うこと、手洗いやうがいを頻繁に行うこと、そして、調理場や調理器具でのウイルス除去をしっかりと行うことです。

ただし、ノロウイルスには、エタノールや逆性石けんの効き目は薄いといわれています。
適切な手法でウイルス除去を行うことが、感染を防ぐことにつながります。